Di2化前。
激務な仕事明けに、ついうっかり(?)Di2を手に入れてしまった。
TTバイクのDi2化は、アップダウンやコーナーの多いコースにおいてメリットが大きい。
というのも、TTバイクは変速するにはDHバーの先につけたシフトレバーに手をのばすしかないので、DHバーに手を伸ばしてギアを変えてそれからハンドルを持ち替えてからダンシングとか、コーナーを抜けたらDHバーへ持ち替えギアチェンジしてから加速とか、結構忙しい。
Di2なら自分で取り付けられそうだし、シューズを新しいのに変更するのでついでポジション調整もしちゃえということで。
- 作業に必要な時間
- 参考にした資料(組付け)
- 必要な工具(最低限必須なもの)
- 作業開始
- その1:ファームウェアの最新化
- その2:パーツ・ケーブル類を外す
- その3:ハンドルまわりのケーブリング
- その4:フレームのDi2のケーブリング
- その5:ブレーキケーブルの調整
- その5:バッテリーの内蔵と動作確認
- その6:微調整
作業に必要な時間
トータル 5時間
参考にした資料(組付け)
作業前に、なにをどうつなぐかをイメージしておくのが必要かなと。
必要な工具や、準備するべきパーツを揃えてから作業開始したほうがスムーズに終わるしね。
今回参考にしたのは、P29のタイムトライアル・トライアスロンハンドルタイプ。
オフィシャルなやつなので見ておくべき。
https://si.shimano.com/pdfs/dm/DM-R8050-02-JPN.pdf
スピードコンセプトのサービスマニュアルのP25からブレーキの調整のやり方が、写真とセットで記載してあるのでこれも必読。
http://trek.scene7.com/is/content/TrekBicycleProducts/Trek_2014_Speed_Concept_Service_Manual.pdf
必要な工具(最低限必須なもの)
レンチセット(2mm〜5mm)
シマノクランク外し
BB90用のBB取り外し・取り付け
プラスチックハンマー (BB取り外し時のみ)
チェーンカッター
ワイヤカッター
E-リング取り外し専用工具
ラジオペンチ
準備したパーツ(手持ちも含む)
フロントディレーラー:FD-R8050
リアディレーラー:RD-R8050
シフター(DHバー用):SW-R671(LR)
シフター(ハンドルバー用):ST-R8060(LR)
バッテリー:BT-DN110-A
ワイヤレスユニット:EW-WU111
ジャンクション:SM-EW90-B(5ポート)x1、SM-JC40(4ポート)x 1
ケーブル:EW-SD50 x7本(パーツと各ジャンクションを接続するのに必要な分)
ブレーキケーブルx2(1mと1.8m)
ブレーキアウターケーシングx2(1mと1.8m)
このタイミングで交換しておきたいもの
チェーン:CN-HG901
ハンドルバー用グリップ:Shakes Pistola x 2セット(DHバーとハンドルバー)
作業開始
作業を進めるうえで、苦労したところやらコツがあれば先人達のノウハウを参考にしたいところ。
そこで、スピードコンセプトのDi2化の記事を見ようとおもったら、ヒットするのはショップの「お客様にスピードコンセプトを納品しました」的な内容ばかり。
スピードコンセプトをお持ちの皆さんは、購入時にDi2化しちゃってますね。プロの方々は作業時の苦労話はアップされてなさそう(そりゃそーだ)。
その1:ファームウェアの最新化
購入したDi2を全部繋ぎ込んでファームウェアを最新化することに。
ワイヤレスユニットのファームアップを一番最初にリクエストされるが、E-tubeのアプリを使って、ワイヤレス接続経由でのファームアップだと高確率(私の場合2/2で100%)で失敗する。
わかっちゃいたけどリカバリー。
ワイヤレスユニットのファームアップは、iPad端末にE-tubeを入れて、もう一回やり直しすればすんなり終了した。
ちなみにスマホのE−tubeのアプリで、ワイヤレス接続では何度やり直ししてもダメ。
(一番安心安全なのはWindow PCとUSB接続してからファームウェアアップだが、うちにはMacOSしかないのでね)
その2:パーツ・ケーブル類を外す
すでに機械式で組んであったパーツ・ケーブル類を全部外す。ショップでプロに組んで貰ったものなので、外す前に写真とっておくと、組み直すときの参考になるかなと。
バラし終えたらこんな感じ。
全体
ヘッドまわり
フレーム裏
BB
ハンドル
その3:ハンドルまわりのケーブリング
どこに何を通すのかは予めイメージしておく。
同じ場所に2種類のケーブルを通す際には、
Di2のケーブル
ブレーキのアウターケーシング
の順番に通すとよさげ。
一番ケーブリングで苦労したのはハンドルまわり。
ケーブル類が多くなるのは当然だけど、前ブレーキ用の通り道が設計ミスか?と思えるぐらいの急角度。ちゃんと通せるか確認するため、使い古しのアウターケーシングを通してみたら、角度がきついところでアウターケーシングが折れちゃった。
前ブレーキを通すためにはここしかない。
よって、右前のブレーキ用のアウターケーシングを穴に通す際には、ハンドルのセンターの穴よりラジオペンチをつかって引き抜いた感じ。フロントのアウターケーシングは約2.5cmだけ残す。
左のリアブレーキ用のアウターケーシングは苦もなくすんなりと通し終えた。
その4:フレームのDi2のケーブリング
次に、フレーム側のDi2のケーブリング。
Di2のケーブルを、
シートチューブ(バッテリーとフロントディレーラーにつなぐ) 2本
チェーンステー(リアディレーラーにつなぐ) 1本
ダウンチューブ(ジャンクション(5ポート)とつなぐ) 1本
の合計 4本 を入れて、それらをSM-JC40(4ポート)にすべてつなぎこむ
こうしておけば、まとめてシートチューブ内に収めることができるのでスッキリ。
SM-JC40(4ポート)につなぎこんだ状態。このあと中に入れておく。
その5:ブレーキケーブルの調整
ハンドルをフレームに組み立つけてから、フロントブレーキとリアブレーキのケーブルの調整を行う。
スピードコンセプトのサービスマニュアルのP25からブレーキの調整のやり方が、写真とセットで記載してあるのでこれ必読。
http://trek.scene7.com/is/content/TrekBicycleProducts/Trek_2014_Speed_Concept_Service_Manual.pdf
フロントブレーキはこんな感じ。
ブレーキワイヤーを固定するボルトを回すときは際は三角形の先端をプライヤーで挟んで固定すべし。
リアブレーキが結構難問。
調整のコツはサービスマニュアルに記載されているものの、まずはアウターケーシングの長さを調整。
次にブレーキケーブルを一旦仮止めして、ブレーキをカバーするパーツ(ブレーキブースターというらしい)を取り付けると、ナットの頭がブレーキブースターにあたってリアブレーキが上手く開かない・・・設計者出てこい。
でしばらく試行錯誤。
下記写真は、ブレーキブースターをつける前の状態
ここまで来れば峠は越えた。
スピードコンセプトでのブレーキ調整に触れた記事を発見。リアブレーキ調整は苦労するポイントみたい。
https://www.slowtwitch.com/Tech/Speed_Concept_brake_tips_4313.html
その5:バッテリーの内蔵と動作確認
シートポストにバッテリーを内蔵してみると、見事にジャストサイズ。走行時の振動でずり落ちたりしないように、スポンジを入れてシートポスト内に固定しておく。
ハンドルから出ていたケーブルは全部、SM-EW90-B(5ポート)に繋ぎ込んで念のために動作確認。BBつけてからどこぞが接触不良で動かん!てことにならないように。
あとはケーブルが干渉しないよう、BBのダストケースをいれたのちに、BB90をインストールしたらほぼ完成。
BB周りの作業は、スピードコンセプトのオーナーズマニュアルがイメージつきなのでわかりやすい。
その6:微調整
ちゃんと動くかを走る前にチェックしておきたいところ。
レースでつかうホイールを前後に装着した上で
- Di2による変速
- ブレーキ
をちゃんと動作するか確認。
リアホイールがハマらん・・・ブレーキシューがおもいきりリムにあたる。でもブレーキシューの幅を広げるには、三角パーツの位置をかえなきゃならんが、そうするとブレーキブースターにナットがあたって、それ以上ブレーキシューが広がらんという感じ。
ふむ、こういうときはブレーキシューを固定するためのワッシャーの位置を移動させてリムに当たらないようにすべし。
漸くできた!
写真はのちほど