来シーズンの機材を選ぶため、ホイール試乗プログラムに申し込んでみました。
ホイールは自分の身を預ける一番重要なパーツだと思うので、購入する前にじっくり調べておきたいところ。今使っているホイールとの違いも知っておきたいですし。
試乗のコース
千葉にある、小刻みなアップダウンがあるコースを140kmほど。
途中に300m程度の登りもあります。
天気
晴れていて路面はドライ。
北風が強めに吹いていて試乗するには絶好のコンディションでした。
使用機材
ホイール:Bontrager Aeolus 5 D3 Tubular
ブレーキシュー:Bontrager Carbon Stop Cork
※空気圧は前後とも8 barに設定
試乗してみた感想
乗り心地
ロードノイズがものすごく静かな印象でした。
これはつけてあったチューブラータイヤ(R4)のお陰である気がしますが、乗っていて絨毯の上を走るような静かな感じでした。
しかも、リアのハブ(DT240)のラチェットが36のものだったので、脚を止めてもフリーハブの鳴りが殆ど聞こえなくて、前走者の後ろにこっそりついて脚を休められるというメリットも(^^)
カーボンホイールのリムハイトの高いものだと特有の、変速したときにホイール内で変速音が反響する感じがあり、変速する度に、反響音のおかげで早く走れそうな気に勘違いさせてくれます。
ホイール自体は硬いので、路面状況はダイレクトに伝わってきます。
ブレーキング
純正のブレーキシューは音がいいです。シュルシュルシュルというおとなしめな音とともに(いきなりガツンという感じではなく)ブレーキレバーを引いた分だけリニアーに効く感じでした。
晴れていたので、ブレーキの効きは素晴らしかったですが、雨になると効きが悪くなるとのこと。
このホイールで推奨されるブレーキシューは、この2つのみ(Swiss Stopの黄色とか使っちゃうと黄色い筋が残りそう)
天候がいつ変わるかわからないことを考えると、Black Princeを使うもしくは前後にそれぞれ異なるブレーキシューを使って備えるのが安心かもしれません。
巡航性能
いろんなところで述べられているように、35km以上で巡航する際の、高速巡航性は非常によいと感じました。下りで思い切り速度をあげても加速していく感じがありますし、太めのタイヤとリムのおかげで視覚的に安心感が高いです。
ハンドリング
常時、強い風が吹いていたので、常にハンドルには注意しておく必要がありました。
リムハイトが50mmもあるので、横風が前ホイールに当たると必ずハンドルが取られる感じです。
これは、リムハイトが50mmのものならどのようなホイールでも経験する類のもので、風でハンドルが取られるのが嫌な人は、リムハイトを30mm 程度のものにすれば確実に安心感が得られます(その分、50mmにくらべて空力上の効果は小さくなりますが)
登り
非常によく登ります。いつも走る300m程度の登りで、今オフシーズンにも関わらずベストタイム出そうでした(本当)
スプリント
試乗の最後にスプリントしたら、さくっと今季ベスト出力(874W)出ました。
どういうことですか・・・
チューブラーホイールなので重量が非常に軽く、Lightweight G3(TU)と比較しても殆ど変わりません。
Lightweight G3(TU) 前+後 = 506 + 641 = 1147 g(クイック・タイヤを除く)
Aeolus 5 D3(TU) 前+後 = 550 + 680 = 1238 g(クイック・タイヤを除く)
※Aeolus 5 D3 のクリンチャータイプ(TLR)だと、チューブラータイプに比較して、前後輪あわせて+200gぐらい
とはいえ、値段は、庶民から見るとさほど変わりません(TT)
長距離を乗ったときの疲れ
今回一番知りたかったところです。
アップダウンを速度維持しつつ走っていると、Lightweigtでは速度維持に力を使っているためか、終盤に脚がかなり疲れている感じがありましたが、それに比べて、Aeolusは疲労度が少ないように思います。
特に平地や下りなど、高速での速度維持が必要な場面で、脚を緩めても速度維持されやすい(減速しにくい)感じがあり、省エネ走りがし易い感じでした。
ちなみに、Aeolusは空力面でのアドバンテージをうたっているので、長距離を走った際に終盤まで脚を残せることになり、有利になります。
単に慣性モーメントの比較をするとLightweightのほうが小さく、Aeolus 5 のほうが大きいと思いますが、空力と相まって省エネ走行が可能なホイールに仕上がっている気がします。
慣性モーメントは、ホイールシャフトから遠くの距離にあるものに、より影響をうけるので、参考までに、ホイール単体のリム重量だけを比較すると、約83gの差がありそうです。
使用したタイヤも若干重量差があります。
Panaracer Race A Evo3 23C 270g
試乗してみてわかることは非常にたくさんあるので、高いパーツを購入する前は借りてみて自分で乗ってみるのをお勧めします。高い買い物で失敗したくないですしね。